2010年2月12日金曜日

 テーマ
 
 天使のハープ(ライアー(独語))という楽器をテーマに製作したいと思ったのは、シュタイナー教育講座に 触れてからのことです。  現代のライアーは1926年ドイツで治療教育を目的に考案されたのが始まりとされています。     繊細な子どもの魂を傷つけることなく、調和や均衡といった精神の栄養素を生み出すツールとして、まるで赤子を抱きかかえながら愛しむように奏でられる楽器としてイメージされました。 
 ライアは英語ではリラ、日本語では竪琴、木などの枠に弦を張った小さな楽器一般をさします。そのルーツは古く旧約聖書の時代にまで遡り、神事や祭や治療に使われていたようです。神話では、3弦で、冬の音を奏でる弦、春の音を奏でる弦、夏の音を奏でる弦で構成されていました。 秋の弦がないということは、3本の季節から生まれた弦をコラボして、秋はもっぱら演奏を楽しむ季節だったのかもしれませんね。
ギリシャ神話にまつわる琴座の成り立ちや、リラの演奏者でもありユダヤ王のダビデの物語、人形姫とハープの物話等々いつでもリラには神秘な力が宿っていたようです。
 もうひとつの世界との仲介に位置する楽器。 民族や時代を超えてこれからも愛されつづけられることでしょう。    ただ今研鑽中ですが、今後魂の世界を知ることと呼応しながら、楽器にいのちを吹き込んでいければと思っています。 これからも創造していくことそれ自体を目的として進んでいきたく思っています。
  ご意見、ご感想をいただければありがたく思います。       
木の造形家 松尾 和哉

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